アキバの誓い

ホムソエム社市川・高柳両EVPとリアルにお付き合いさせていただくようになって、かれこれ5年ぐらいになる。また、この間、牧山CEOとも知己を得る機会があり、今も親しく交流させて頂いている。

 

そもそも高柳EVPから「会社を興した」と聞いた時、「やっぱりデータ分析系?」と尋ねてみたら、「まあ、そうなんですけど、自分よりも若く優秀なデータサイエンティスト達を支援するのが目的で、儲けることは今のところ考えていないです」と応えられたのに深い感銘を受けたのであった。どこかの哲学者だったかが、「世の中の2.5%は聖人君子、他の2.5%は最低のクソったれ、さらに他の13%程度がやると言ったことはできる人間、残りはただの無能」と書いていたと思うが、高柳さんは正規分布の上側確率表でいうところのP(Z>1.96)に属する人なのだな、さすがだなと感心した記憶がある。


今日は、そのような高柳EVPと市川EVPとの馴れ初めを書こうと思うのだが、その前に、最近、市川・高柳両EVPとお会いした際のお話をしたい。

 

去年の今頃だったか、市川EVPより「そちらに遊びに行きたい」と申し出があった。念のため「そちらって、俺の家ってこと?」と確認すると、「いや、他に意味はないでしょ」とのお答えだった。


そう言われても、私の家の所在地は東京からとてつもなく離れた地方である。そうとうに気合を入れないとやってこられないような片田舎である。ただ家についていえば、夫婦二人暮らしで犬も猫も飼っていない。なので、お客二人ぐらいであれば泊まってもらうことに支障はない。それで、帰宅後、妻に相談してみた。

 

「泊めるのは吝かではないが、奴らの目的は何だ?」

「は?目的?」

「市川・高柳氏とも Executive Vice President ではないか?」

 

確かに。お二人ともデータサイエンス分野のバリバリの若手として著名な研究者ではあるが、一方で、生き馬の目を抜くデータ分析業界を跋扈する鵺みたいなところもある。が、この片田舎にやってきたところで、商売の儲けとなるネタはないであろう。

 

「友人としてじゃないかな」

「それならそれで構わないが、時期による」

「時期・・・」

 

時期という意味は、実は妻は家の内装にやたら凝っていていて、毎年何らかのリフォームを差配しているのだ。そのため、毎年ある時期になると、私も立ち入れない部屋が現れるのである。

 

「あと、高柳氏は不安だ」

「不安?」

 

確かに、高柳氏には何を考えられておられるのか分からないところがある。そういう懸念もあり、両氏には、とりあえず日程を決めていただき、かつ適当なホテルを取っていただくという方向で調整してもらうことになった。

 

さて、そういう段取りで彼らの来訪を待つことになったのだが、それから一向に音沙汰がなかった。業を煮やして9月末ぐらいに確認すると、「10月末に行きます」という。ただ、飛行機は取れたものの、宿は取れてないという。「なんて、計画性のない奴らだ」とは思ったが、たまたま私の会社の社員寮みたいなところに空きがあったので、都会ではエリートサラリーマンとしてさっそうと街を闊歩しているところの彼らには気の毒ではあったが、この片田舎では雑魚寝、風呂・トイレ共同というその宿に二泊してもらうことになった。ちなみに一泊一人2500円である。

で、来訪当日、この時期には珍しく台風が直撃する恐れがあるという日の午後、彼らは本当にやってきた。あらかじめ会社近くまで来たらメッセージを寄越せと伝えていたのに、私がちょっと用を足すため仕事部屋を離れ、すぐに戻ってみてみると、入り口にお二人がすでに立って待っておられた。「久しぶり」と挨拶を交わすと、彼らは返事もせず、いきなり、でかいダンボールを私に差し出したのには驚いた。見ると、ペットの自動給餌器とある。

 

「お土産です」

「お土産・・・」

 

先に書いたように、私は犬も猫も飼っていない。なんでやと思ったが、よく思い出すと、私はこの3週間前ほどに、こんなつぶやきをしていたのであった。

 

 

ただの冗談である。しかも、完全に忘れていた。ところが、高柳EVPは、これを覚えておられて、このネタに応じてAmazonに2万ほど払って購入し、あまつさえ東京都心部のタワーマンションから、この片田舎まで、飛行機に積んでわざわざ持参してくださったのであった。ただのネタのために!!驚くべき実行力である。そしてまた、ただの無駄でもある。

 

まったく高柳EVPは計り知れない人である。正直、嬉しくはなかったが、いちおう礼を述べて受け取った。ちなみに、スマホで見守り機能があるという食餌機を後日セットアップしてみたが、会社のファイアウォールの関係かユーザー登録ができず、登録できないとスマホでの操作もできないため、今も未使用新品のままである。でかすぎて家に持って帰る気力もない。止む得ないので、これは市川・高柳両EVPが忘れた頃に、売り払おうと思っている。


さて、それから二日間、市川・高柳両EVPと観光およびお食事のお付き合いをさせてもらったのだが、いろいろ教わることが多かった。二人とも「一日10食の漢」と自称される通り、暇があれば何か食っておられたのが印象的であった。また酒も予想通り、相当強そうであったが、残念ながら同伴した妻が料理屋での注文を差配しており、「二人とも酒乱であろう」との偏見から、酒をあまり出さないようコントロールしていたため、飲み足りなそうな顔をされていた。後で妻は、「二人とも酒で乱れることはなさそうだと分かったので、次回は浴びるほど飲ませてやっても良い」と言っていた。

 

会席料理を楽しでいる最中に、高柳EVPが11月から併任として某L社でも仕事をされると聞かされた。

 

俺「L社か。じゃあ、いよいよ年収2億ですか?」

高柳EVP「いや、年収2億って、それ被雇用者の年収と違うでしょう」

俺「じゃあ、二千万か。いずれにせよ。さすがだなぁ。市川EVPと二人合わせて年収5千万じゃないですか」

市川EVP「そうむ、それ算数の方は大丈夫ですか?」


妻「ところで、お二方、最近、お付き合いされている女性とはどんな感じですか」

市川EVP「いや、その話題はまだ高柳さんの前ではタブーでしょ」

俺「まずいよね」

高柳EVP「あれ、そうでもないですよ」

 

などと、和やかな中にも未来を予感させる前向きなやり取りをかわしつつ、楽しく一日を過ごさせてもらったのである。

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なお翌日、我が街は台風の直撃にあい、羽田行きの飛行機は欠航。どうするのかと思ったら、バスと新幹線を乗り継いでなんとか東京に戻るということであった。この時期に台風が来ることなどあまりない。訪れるなら、いろいろ考えて算段すればいいのに、もう、まったく計画性のない連中だと、つくづく感心したのであった。

 

ちなみに、高柳EVPには年明けの1月末、わが社でのちょっとしたイベントで講演してもらうことが決まっている。その際、都合があえば市川EVP、さらには牧山CEOもごいっしょになる可能性があるという。その際には、妻の同意のもと、存分に飲めそうなので、お三方とも大船に乗ったつもりで安心して来ていただきたい。

 

それで、この文章のタイトルが「アキバの誓い」なのだが、それは私、また高柳EVPがTwitterで時々使っているラテアイコンの由来を、ホクソエムと絡めて書こうと思っていたのである。が、それには、いろいろヤバい話も説明しないといけいない。また、実は今日12月3日は私の誕生日で、これから妻とディナーの約束があるので、さっさと切り上げたい。

 

あと関係ないが、前の方で「世の中の2.5%は聖人君子」と書いたのは、哲学者ではなく、アメリカのホラー作家、スティーブン・キングだった気がする。


それでは、ホクソエム社の面々におかれては、来年もさらなる飛躍の年となりますように、片田舎から祈念いたしております。

 

 

明日4日はksmzn氏による投稿です。